静動

進路講演会(令和3年12月21日更新)

11月2日から12月2日にかけて,計5回の進路講演会を実施しました。
今回の目的は,社会で活躍する方のお話を聞いて生徒に自分の将来の夢や生き方を考えてもらうこと,大学入試や進路についてのお話を聞いて何のために学ぶのか,勉強することの意義について考えてもらい,勉強に対するモチベーションを上げることの大きく2点あります。
また,これらはすべて対面で行われ,講師の先生方の熱量も十分伝わったと思います。

 

11月2日(火)には,東北大学教授(環境・安全推進センター,大学院医学系研究科産業教育分野)の黒澤一先のお話を聞きました。

黒澤先生は本校第32期の卒業生で,羽後町西馬音内の御出身です。NHKをはじめとしたテレビ番組にも専門家として御出演されています。講演の中で先生の高校時代の話や,大学の物理学科に進学したものの思い直して医学部を受験し直した話,自然気胸になったことをきっかけに呼吸器内科を選択したという話,留学中の御経験,そして産業医としての取組,とりわけ禁煙や感染症の予防に向けた取組についての話をしていただきました。また,また,生徒から「東北大学が求める生徒は」という質問がありましたが,「受け身ではなく積極的に学ぶ生徒」というお答えでした。

 

 

11月11日(木)には,株式会社IHI理事(航空・宇宙・防衛事業領域民間エンジン事業部副事業部長(兼)整備統括部長)の仲俣千由紀先生のお話を聞きました。

 

この講演は,秋田大学・秋田県立大学の御尽力により実現しました。仲俣先生は,大学院を出て入社後,ジェットエンジンやガスタービンについて第一線で研究してきて,現在は大企業の重い地位に就いている方です。このような御自身の歩みや,近年脱炭素社会を目指す動きが活発になる前から取り組んできたこと,今,あるいは将来何を求められるのかという視点を常に持ち,研究テーマを探っていくことが大切だということ,そして最後に高校生として今できることをしてほしい,自分の芯を持ってやりたいことをやってみてほしいという本校生へのメッセージを語ってくださいました。

 

 

11月13日(土)には,群馬医療福祉大学特任教授(入試広報センター長)の山口和士先生のお話を聞きました。

山口先生は,群馬県立高校で国語科の教員として生徒の指導に当たってきた方です。小学校の頃に声を失い,以後高校時代まで苦しんできましたが,京都大学の湯川秀樹博士との出会いによってその病から復活し,自らの体験を元に、後に教師となってから生徒の進路指導に力を発揮されてきました。「自分自身の心の中で限界を作ることなく,基礎基本を大切にして進路実現を目指してほしい,本気で取り組めば、不可能なことはない」ということを熱く語ってくださり,進路実現のための具体的な「10か条」を本校生徒に授けてくださいました。

 

 

 

11月22日(月)には,仙台地方裁判所判事・東北大学法科大学院教授の佐藤久貴先生のお話を聞きました。

佐藤先生も本校第50期の卒業生で,羽後町上到米の御出身です。現役の裁判官のお話を聞く機会というのはあまりないのですが,貴重な機会となりました。最初に裁判というものについての説明があり,現在は民事裁判に関わる中で,「紛争の当事者は苦しい思いをしており,専門的な知識で紛争を解決する役割を担っている」「判決によって,予測可能性を世の中に与えられる。自分が思ったように判断できる」とそのやりがいや魅力について語ってくださいました。また,皆さんに伝えたいこととして,悩んだとき,苦しいときにこそ読書をする,謙虚な姿勢で他人から学ぶ,利他の精神,伸び悩んでも焦らないなどのお話をしてくださいました。

 

 

12月2日(木)には作家で元灘中学校・高等学校教員の木村達哉先生のお話を聞きました。

木村先生は,奈良県の西大和学園,兵庫県の灘で長年にわたり英語科教員として生徒を指導してきました。いずれも有名大学への進学者数が多いことで有名です。はじめに英語の学習についてのコツをお話しする中で,英語は努力すれば誰でも得意になれると勇気づけてくださいました。また,授業を受けた後で自分で反復練習をすることが学力向上にとって重要であることを強調されました。そして「他人を幸せにするための勉強する」ということや,自分で解決できない疑問や悩みがあったら教員に相談するべきだということもお話ししてくださいました。最後に生徒の質問に答える形で,学校と家の往復というルーチンの中では夢を見つけるのは難しいので,本を読んだり,どこかに出かけたりという中で視野を広げることの重要性を強調していました。

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